音色を探る

たとえば「冬の旅」
 
正統派フィッシャー・ディスカウの品行方正な歌は、標準値に対してやや高めのピッチ。
 
ハンス・ホッターは常に少し低めのピッチで、まさしく冬の枯れた色合い。
 
偉大な歌手の味わいと比べたりするのは畏れ多い・・・・・のだけれど、
 
どういう表情を表そうとしているのか、微妙なピッチを使い分けるように
 
というのが、このたとえを引いたマエストロの意図するところだろうか。
 
意図してないのに、がっかり音程や暗い音色になってしまうことの多い毎日、
 
なかなかむずかしいですわ~
 
細かく指示されている accel   や  rit や 変拍子も、
 
自然なせりふ回しになるための設定で、むりやり枠にはめるわけではない。
 
う~ん、何を歌いたいのかをもっと掘り下げないとね。
 
自分がそういいたい気分になることが大事。
 
 
「音色は何色ですか?」の楽譜の表紙に、詩を書いた泊真美子さんの写真を貼ってみた。
 
先日のコンサートで頂いたチラシで、ホールでの録音風景らしい、ピアノに向かう姿が写っている。
 
鍵盤にかがみ込み、宙をみつめ、髪をかきあげ、切ない表情をしている。
 
にっこりしている顔もある。  孤独もあり、実りもあり・・・
 
ひとりでこんな大きな楽器に立ち向かっているのよね。
 
私たちの目の前にいる織田先生も。
 
裏表紙には、兵庫県立芸術文化センターの写真。
 
今年の全国大会の会場です。
 
楽譜を見るたびに自然にモチベーションが上がるようにしちゃいました。
 
まだまだまだまだ道は遠い感じだけど、
 
ここにあるものをちゃんと掘り起こして伝えたい。
 
うまくなりたい。