西村朗「秘密の花」の練習が始まりました。
今年のコンクール自由曲に選んだ曲。
だいぶ前に候補になったことがあるのですが、その時は却下。
“妖しく耽美な愛とエロスの音詩”などを口にするのを
その当時まだうら若き乙女だった(ん・・)私たちは躊躇したのかもしれません。
今や百戦錬磨のマダムに成長し、満を持して手にした楽譜。
病弱で優れた才能を持ちながら夭折した詩人というのは
やはり独特の感性を持っていて、その心の中を覗いてみるような
ちょっとドキドキする気分になります。
他の曲はまだわからないけれど「くちびる」はなんだか切ない詩です。
と感じるのはやっぱり年を重ねたからなのかな。
が、感情移入ではなくまずデジタルに音を入れるのが私たちの鉄則。
グズグズになりがちな三連音符などを丁寧にさらいました。
高校生のブレのない清潔な声で歌われる表情が
もしかしたら大手拓次の描くイメージに近いのかもしれない。
私たちとこの曲の出会いが、どんな反応、どんな熟成を呼び起こしていけるのか
じっくり取り組んでいきたいと思います。
初めての曲のはずなのになぜか懐かしい、
歌ったことがあるような和音進行だなと思っていたら
なんと高田三郎の「海よ」に似ていることが判明、なるほどの発見もありました。
「おてだま唄」も強弱がちゃんとできてくると、いきいきした表情になりますね。
グループ対決で盛り上がってきたり
難しい技になると息をひそめて見つめていたり
どんどん面白くなってきました。
自分のことで手一杯でバタバタしているところも、微妙な音程も
次はもっとすっきりさせたいです。