一気に春めいて、気温は高く日射しもぽかぽか。
青少年会館の開館直後から集う妙齢の乙女たちは、窮屈な部屋にこもってカーテンを締切り、
がたつくドアや壁を揺する物音の中、あやしげな息を使っている。
ときどきドアを開けては、暑い・・窒息しそう・・とつぶやく人影。
あさってに飛んでいってしまいそうなピアノの音も響く。
本日、はまゆうは研修室にて志都歌特訓中。
思うにならぬ音程やアンサンブルに飽くことなく取り組んでいる。
かれこれ2ヶ月が経過。
uだったかmだったか、よれよれしながらも暗譜も進んできて
少しずつ体にしみこんできているようだ。
おそらく蓄積したものは、だんだんに顔を出すのではなく、
ある時一気に浮上するのではないか、という気がする。
何かをつかんでしまえば、安定し、親しみが増し、喜びが湧き上がる。
息の回し方、耳の使い方、音の楽しみ方
さまざまな課題をひとつずつ手なずけていくのは、緊張するし体力もいる。
妙齢だからね・・
みんな同じ苦労をしていると思うと、気持ちが温かくなる。
いい音が流れ出す日を信じて、地道に歩いていきたい。