おかる開通

暑~い~ 言いたくはないけどつい口をついて出てしまいます。
 
猛暑の中集中した練習が行われ、やっと「おかる勘平」通せました!
 
各パーツのニュアンスに磨きをかけて、さぁ合体!つなぎ目の乗換えもうまくいきました。
 
今までにない刺激的な内容で、最初は え・えぇ~★☆▲◇ みたいな感じだったのですが
 
結構みんな気に入ってるみたいで、声にこの曲好きっていう勢いが出ています。
 
先週はKさんが歌詞に登場する花の写真を調べて持ってきてくれて
 
びろうどあおいの薄紙細工のようなはなびらがふるえる様子や
 
おかるの着物の色に似た薄紫の色がイメージを鮮明にしてくれましたし、
 
今日はRさんが「おかる勘平」の舞台の写真集を図書館から借りてきてくれて
 
におい立つような色気の玉三郎のおかる、当時の片岡孝夫の滴るような勘平、睨みのきいた団十郎の由良之介
 
それはもう豪華な名場面集に、みんな惹きつけられていました。
 
私も玉三郎のおかるの写真を楽譜の表紙にしているのですが、
 
えもいわれぬ品のいい色香が漂っていて素敵です。
 
男性の演じる女形が、素の女性よりある意味ずっと女らしく見えるのは、
 
歌舞伎の知恵や工夫がたくさん詰まっているからですよね。
 
私たちもこの曲のいろいろな場面を演じる時に、ちょっとした指のしぐさや首の角度や目線の行く先のような
 
細部のデティールにこだわってみると効果的かもしれません。
 
今日の練習にはそういうニュアンスがあちこちに出てきて、面白かったですね。
 
このところ毎回あっという間に時間が過ぎてしまって、もっともっと歌いたい!
 
いい曲になっていきそうで楽しみです。
 
 
[わたしの命は]の最初の2行、夭折の詩人立原道造
 
パステルカラーのようなはかなげな表情が浮かんできます。
 
どのフレーズにも繰り返しとたたみかけがあって、
 
うつろい行く心模様や自分に言い聞かせるような切ない心情が
 
たちのぼっているような気がします。
 
音7割、耳3割と言われましたが、もっと耳の割合を多くして
 
和音やユニゾンを集中してきれいに決められたら
 
それだけで求めている色がたくさん出てくるのでしょうね。
 
こちらもとても楽しみです。
 
いい歌に出会えてしあわせですね。