和箪笥の引き出し

今週から「万葉恋歌」の練習に入りました。
 
「形見」から「おかる勘平」と、このところずっと和の世界にのめりこんでいます。
 
エストロも和箪笥の引き出しを開けていろいろ教えてくださったし、
 
民謡から古典文学、伝統芸能、どれをとっても奥深く興味は尽きません。
 
やっぱりそういう血が流れているのかと思うと嬉しくなったりします。
 
 
勤め先の古書店でも、『日本の芸談』という古ぼけた和綴じの本が入荷し
 
ふと惹かれて読んでみると、歌舞伎、浄瑠璃、舞踊など芸事の世界の薀蓄がずらり、
 
腰を中心にすえる、足の使い方、手の使い方から間のとりかた、化粧隈取りの仕方まで盛りだくさん。
 
歌舞伎で、お殿様のところに使いの者がはせ参じ、何事かご報告をする場面で
 
勢い余って使いの者の入れ歯がはずれてしまったことがあった。
 
そのまましゃべればふがふがになり、入れ歯を拾えば笑われる。
 
とっさにお殿様が前へ進んで使いの者のせりふを受け取り、これこれこうであろう、遠慮せず近うよれと言うと
 
使いの者は、ははーっとにじり寄って平伏し、入れ歯を納めて左様にござりますと応えたとか
 
芸は八割で演じ、二割は冷静に余裕をもっていなくてはとっさのときに対応できないとのこと。
 
浄瑠璃では、三者の気合いがあまりに一致したために、同時に三味線の弦が切れ、
 
人形遣いの鼻緒がはずれ、太夫の腹帯が切れてしまうことがあったとか。
 
様々の心得やあれやこれやのエピソードに、なるほどと唸ることも多く夢中で読んでしまいました。
 
 
合宿で一芝居打ったりするし、またまた新境地を開いたりできたらいいなと思います。
 
今年はトリオの代わりに3つのアンサンブルグループで課題曲自由曲を披露する計画も発表され
 
グループで曲を決めたり名前をつけたり、こちらも賑やかに盛り上がっています。
 
青森は行けないけれど、結構忙しく楽しい11月ですよね、うふふ~