シンプルな曲を美しく歌うのはとても難しい。
「砂山」、「村祭」、「紅葉」・・・よく知っている曲だけに、つい無防備に歌ってしまうと
ほんとにそこそこの何もおもしろくない感動のない歌になってしまう。
コンクールの曲は、ていねいに畑をほぐして耕して手入れをしている。
音程、音色、リズムはもちろん、和音のバランス、子音の分量やイントネーションやセリフの表情にいたるまで
マエストロによって掘り下げられ、みんなで力を合わせて実現しようとしている。
それが、新しい曲になると全部一からスタートになってしまうのが、私たちのちょっと情けないところ。
コンクールのその曲のために培ったテクニックや神経が、言われないと他の曲に活かされない。
どこに神経を使うかということを、音を取って歌い出す前に、
楽譜をよく眺めて自分で見つける作業を、一度じっくりやってみればずいぶん違うのかなと思う。
歌いながら気づくことだってたくさんあって、少しずつ身についてきているとはおもうのだけれど・・・
ユニゾンを揃えること、和音を整えること、
一瞬で通り過ぎてしまう音にも精度を求める練習にはぐんぐんひきこまれて行きます。
どんなに神経を使っても、筋肉を使っても、理想の響きははるか彼方にあるような気がするときもある。
でも、ほんの少しでもきれいになるとそれがとてもうれしくて、ぐんぐんやる気が出てくるのが
はまゆうのいいところ。
歌いたい気持ちを大切に、使える神経は全部使って、体も休まず鍛えながら真剣に練習すれば、
少しずつだって、一歩ずつだって、だんだんうまくなるはず。
どうしたもんじゃろの~ と考えているときが楽しいんだって。そうだよね!