アフリカの蹄

Nkosi sikeleli Afrika

主よ、アフリカに祝福を


このフレーズは、南アフリカの虐げられた黒人たちが

戦いのなかで歌い継いできた歌だった。

「アフリカの蹄」は、箒木蓬生氏によるフィクション(講談社文庫)。

舞台は、アパルトヘイト政策が行われていた時代の南アフリカ共和国がモデルになっている。

土地を奪われ、自由を奪われた黒人たちに、唯一残っているのは〈精神)だ。

しかしそれが言論になれば弾圧が待っている。歌となって表されるしかない。

歌こそ、彼らが人間としての威厳を回復し、団結する手段なのだ。

こんな記述が胸に突き刺さる内容だった。

アフリカの歴史やアパルトヘイトの歴史など、参考になる本はたくさんあるけれど、

一冊のフィクションが強烈なインパクトを持っていることがある。

Yさんが、たまたまご主人の本棚で見かけて読んでみた、ということで

紹介してくれたので、私も早速買って読んでみた。

発音だけ覚えて歌っていた自分が恥ずかしい。

特にあの賛美歌の部分は涙が出そうになる。

みなさんもぜひ読んでみてください。


楽譜を眺めても、どの音程もまったく声にならないので読書しています。

参考に・・・「新書アフリカ史」 講談社現代新書
      「ネルソン・マンデラ伝」ファティマ・ミーア著 明石書店
       「アフリカ現代史」 山川出版
その他にも、私の勤める古書店にはいろいろな本があります。

ご希望の方は声をかけてくださいね。