針の穴

先週に続き、2曲のAve Maria

出だしのユニゾンの音が合う。

針の穴に糸を通すような息の運び方。

それだけのことがなぜこんなにうれしいのだろう。

不要不急といったらその最たるもので、

本当の針に糸を通してマスクとか作ることの方が

世の中の役に立つ… のかもしれないけれど、

自分の声がみんなの声と溶け合って(受け入れられた感じ)

いい響きを作り出せると、なんというか心に平和が訪れる気がする。

 

ピアノの和音が温かく明るい色に変わる。

それに迎えられて、また人の声がつながっていく。

ちょっと泣けてしまいそうになる瞬間。

いつまでも暑くて仕事も忙しくて、くたくただったけれど

心の隅に溜まっている澱が流されていく。

週に一度の大事な時間。

 

コンクールもコンサートもなくて

出来上がった作品を誰かに聞いてもらえる機会もないけれど

いつまでたっても通らなかった糸が

すーっと針の穴に通る

そんなことがちゃんとできるようになるのなら

これはすごくいい時間なのかもしれない。

明日も元気出してがんばろう💛