ひたむきに

うまく歌えないひとたちをうまくする。

それがマエストロのお仕事。

とはいえ

届かない音程に始まり、美しくない発音、冴えない発語、

ふさわしくない音色、足りない支え、動かない息、揺れてしまう声・・・

これでもかというくらい突っ込みどころは満載。

そのひとつひとつに向き合って、どうすればいいかを常に考えてもらえる

どの合唱団にも同じように降り注いでいるはずだけど

これって

なんというか、とてつもなく、すごいことなのだと

なぜか胸がいっぱいになってしまいました。

 

うまくなりたい、という気持ちばっかりたくさんあっても

ちっとも思ったような声が出せない。

そんなとき、ほかのパートを見渡すと

なかなかうまくいかなくても、間違えてしまっても

本当に屈託なく、楽しそうにしあわせいっぱいの表情で歌っている顔がある。

どんな症状にも、必ず手立てがある。それも一つ二つではないのだ。

試みれば変わっていく。

一度では刷り込めなくても、ひたすらに繰り返す。

そんなひたむきな練習が、やっぱりとても楽しい。

 

自主練習で「白鷺」をみんなで朗読してみた。

テンポもトーンも句読点も、みんな違っていて面白い。

詩がしみ込んでくる気がする。

こういう字だったのね、などという気づき(今頃・・)もあって収穫だった。

少しでも前に進みたい。