ユニゾンで始まる8小節、
手の込んだ細工もピアノの助けもないシンプルなメロディ。
何も考えずに歌ってしまえば、なにも心に残らない。
これがマエストロにかかると、
じわっと心に沁みる説得力を持つ歌になっていく。
文学では行間を読むというけれど、
音楽でもすごくたくさんのことを楽譜とテキストから読み取れるのだ。
音程、音色、リズム感、テンポ感、スピード感のようなものから
フレーズの流れ、息の取り方、その表情
テキストのイントネーション、所作のイメージ、息遣い…
8小節と言えど、無限にやることがあって、
やればやるほど音楽が変わっていく。
これが一週間分のエネルギーになるくらい面白い。
1回で定着すれば、どれだけうまくなれるだろう・・・
何がこの場面で求められているか、ふさわしいか
あるいはふさわしくないかを考えるのが
いい音楽を創るために必要なこと。
こういうことって、人が生きていくうえでも大切な
知性のようなものなのかなと思う。
はまゆうで歌っているととても楽しくて幸せになるのは
みんないい人たちだからなんだね。
『枕草子』『みやこわすれ』を練習しています。
楽しい練習、ぜひ見学にいらしてください。