7月12日、紀尾井ホールでコンビニさんの10周年記念演奏会を聴いてきました。
とてもグレードの高い上質な演奏会でした。
1曲目は「主に向かいて新しき歌をうたえ」というバッハのモテットの名曲。
2重合唱でとても難しかった経験があるので、これをつかみに持ってくるとは!とハナから圧倒されました。
深い響きに加え発音の美しさにもちょっとヨーロッパの合唱団のような風格を感じました。
2曲目のレーガーの曲も歌ったことがあるのですが、こんな風に歌えていたのかしら・・・
ロマンチックな呼吸のある音楽がピアノの美しい流れとともにとても心地よかったです。
千原秀喜の「おらしょ」カクレキリシタンの3つの歌は、朗読で会場の空気が変わってきたところへ
私たちも「氷雨」でうたっている はらいそ(天国)は遠い というフレーズが
カクレキリシタンの弾圧の歴史の中での悲痛なまでの渇望であることが思い起こされ
感じるものが多かったです。心に沁みました。
10周年記念ステージでは、コンビニさんならではの品ぞろえの豊富さに驚き。
ハンガリー語ひとつで四苦八苦していた私たちには目の回るような果敢なチャレンジ精神です。
めんどりのおばさんの歌は思わず拍手したかったのだけれど、しそびれました。
「おわりのない海」や「全身」、「前へ」など邦人曲は、それぞれのステージやコンクールなどが
思い出されて懐かしく、落ち着いた知性を感じる音色がいつもとても素敵で、これも沁みました。
伝わってくるいい曲は自然に涙が出てしまいます。
これだけの曲を1回のステージに並べられるなんてすごいことですね。
黒の衣装のバリエーションも曲の雰囲気に合っていて素敵。
コンビニというより、高級専門店が集まるショッピングモールのようでした。
マエストロの指揮が改めて美しいと感じたのは、流れてくる音楽がそれを体現しているからなのでしょうね。
私たちももっともっとうまくなりたいと思いました。