邦楽の味

おかあさんコーラス前の最後の練習、「おくのほそ道」を歌い込みました。

エストロの豊富な邦楽の知識、素養が多彩に繰り広げられ、曲のイメージが一気に鮮烈に!

休符ひとつの扱いにも、歌舞伎の柝がばしっと鳴るような歯切れの良さを求められ

リズムには見得を切るような独特の間、切り際には腑に落ちる重心の落としどころ

そうかと思えばこちらはアルバイトの巫女さんの無表情な舞、

あちらのセリフは薪能のような重々しい口調、

月に黒雲、艶っぽい空気・・・

ぜんぶ自らやって見せてくださるマエストロのとどまるところを知らない攻勢に、

笑いのツボにはまってしまったメンバー数名はしばらく立ち直れないでいました。

いや~素晴らしい!

もともとの芭蕉の句の内容に音が加わるとこんなにもイメージが広がる

芭蕉自身も旅路に虚構を交えて創作している部分もあるわけだし

新実先生の思い描いた世界と、さらに歌い手が感じ取るもの、ピアノが表現するもの

おくのほそ道は奥が深い。

ステージでは、そんなイロイロ混沌とした、でも邦楽と日本画の空気がじわ~と伝わる演奏が

できたらいいですね。

楽しみです。