さりげなく美しく

大切な言葉がわかるように伝える

情景が目に浮かぶように歌う

そんなことを考えながら歌う「ポケットの星」は楽しい。

作曲家の遊び心がたくさん曲の中に仕込まれているし

さらにマエストロが絶妙な隠し味をそこここに仕掛けていくので、おいしさがさらに引き立つ。

ふわっと鼻をくすぐる香り、まろやかな舌触り、後味の爽やかさ

声の色や言葉の言い回し、ちょっとした息遣いなどは、がつんと主張するわけではないけれど、

立ち姿や所作、言葉遣いの美しい人のようにふーっとひとを惹きつける。

さりげなく感じられるものほど身につけるのは難しいけれど

そんなふうになれたらいいなぁ。



「君死にたまふ」の難所、4パートとピアノの複雑なリズムの絡み合いも

まだ全然できていなくて冷や汗ものだけれど、だんだん楽しくなってきました。

ガムランやデーモンを歌った時のように、あの入れ子のようなスリリングなアンサンブルを

早くみんなで楽しめるようになるといいですね。

できないと苦しいけど、できるようになるとこれほど爽快なものはありません。

情感たっぷりのユニゾンとのコントラストも効いてくるでしょうし、

ちょっとわくわく♪ うまくいくような気がしてきました。

もっと汗をかかないといけれど、楽しみ~